書院の東南側の庭に置かれている高さ約1.7mの凝灰岩製の層塔です。
現在は幅72cmの初重軸部と四層屋根の上層に軸部の4石が残っているに過ぎませんが、現存する屋根の逓減率から推察すると本来この塔は十三重の高塔で、初重・二層・三層と十一層か十二層が残存していると考えられています。
なお、最上部に五輪塔の一部と思われる半円状と球形の花崗岩二石が載っていますが、これは他の塔のものが混入したと考えられています。
屋根は重厚でしかも勾配はゆるく軒反りは真反りに近く穏やかで、軒口は垂直に切られるなど全体として非常に古式で、建立は平安時代にさかのぼるのではないかと考えられています。
(参考文献:広島県立歴史博物館編 「明王院 その歴史と文化」 89頁 資料番号78)
非公開(不定期で第三土曜日の特別公開時で見学可)
写真撮影:明王院を愛する会