福山市指定重要文化財

明王院護摩堂

建立 1639年(寛永16年)

宝形造(ほうぎょうづくり)、本瓦葺の建物で、正面に一間の向拝を、付け背面に下家(したや)を設けています。1639年(寛永16年)福山藩主初代水野勝成が、明王院住職宥将のために建立したもので常福寺と合併時に移建したものと言われています。1694年(元禄7年)の大修理で、かなり元禄風が加わっていますが、正面中央の桟唐戸や花頭窓(かとうまど)は精巧な細工、内部の格天井(ごうてんじょう)、天井中央の折り上げ小組天井等は、江戸時代初期の極めて優美な手法で、規模は小さいですが気品ある建築です。堂内には真言密教の秘法を行うにふさわしく護摩壇があり、その奥須弥壇には不動明王立像、両脇侍として向かって右側に制託迦(せいたか)童子像、左側に矜羯羅(こんがら)童子像が安置されています。その背後にはかつて五重塔内にあり狩野永清の模写した来迎壁(表・・五大虚空蔵菩薩像図、裏・・兜率天曼茶羅図(とそつてんまんだらず))が置かれていて、一種荘厳な雰囲気をかもし出しています。

 

内部非公開(不定期で第三土曜日に特別公開)

 

(参考文献:広島県立歴史博物館編 「明王院 その歴史と文化」 86頁 資料番号64)

 

写真撮影:明王院を愛する会

 

護摩堂の仏像


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